低用量ピルを服用しているけど、中出し(膣内射精)されて避妊に失敗したかもという場合、ピルを飲んでいれば本当に妊娠しないのかどうか心配になります。
ここでは、ピルの服用で妊娠確率はどれくらいになるのかや「最後の緊急避妊法」と言われるアフターピルについての情報もご紹介します。
「低用量ピルを飲みたいけど、どこで処方してもらうのが良いの?」「どこで処方してもらっても値段は同じ?」と気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では低用量ピルを処方してもらえるおすすめクリニックを11選紹介していきます。[…]
ピル(低用量ピル)で100%の避妊はできない!
飲み忘れがあったり正しく飲めていなかったときなどは効果が得られない
低用量ピルは正しく使用した場合は99.7%と避妊効果が高いです。
ただし避妊効果が高くても飲み忘れがあったり、低用量ピルの服用後すぐの嘔吐や下痢の場合などは効果は得られません。
また、避妊効果を妨げる薬やサプリメントなどを摂取した場合もピルの効果が正しく発揮されない可能性があります。
よって低用量ピルを服用していれば完璧な避妊が出来ているかと言えばそうでないケースもあります。
低用量ピルは100%の避妊率ではない
他の避妊方法と比べて高い避妊率の低用量ピルですが、100%の避妊率ではなく、正しく飲んでも妊娠確率は0.3%あります。
1000人中3人は妊娠する確率です。
もし膣内射精(中出し)があった場合、低用量ピルを服用していたとしても妊娠の可能性はゼロとは言えません。
性交後に膣の中をシャワーで洗ったり炭酸水で洗ったりといった方法には避妊効果はありません。
避妊失敗時の最後の手段はアフターピル
避妊に失敗したと思ったとき、緊急避妊法として性交後の最後の手段と言われる避妊方法にアフターピル(モーニングピル)があります。
アフターピルは避妊に失敗した後、72時間以内に服用することで妊娠阻止率を上げることが出来ます。
性的暴行やコンドームの破損などで避妊が出来ていないときなどに、排卵の抑制、着床の阻害を行うためにアフターピルを服用し妊娠を防ぎます。
アフターピルは、着床が完了してしまった妊娠が成立した場合の服用では効力はありません。
アフターピルには「ノルレボ」「レボノルゲストレル(ノルレボのジェネリック薬)」が日本で認可されています。
72時間以内の服用で高い妊娠率となりますが、服用は早ければ早いほど避妊効果は高くなります。
ピルは他の避妊法と併用するべき!
そもそも低用量ピルとは?
・低用量ピルは経口避妊薬またはOC(Oral Contraceptives)ともいい、1日1錠毎日服用
・服用すると排卵が起こらなくなり、子宮頸管の粘度が上がって精子が子宮に入りづらくなる等の効果あり
・避妊効果以外に生理痛や月経前症候群(PMS)などにも効果あり
・生理日を早めたり遅らせたりといった月経のコントロールが可能
・月経困難症、子宮内膜症などの治療目的で処方される場合
そもそも低用量ピルとは何かというと、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)と同じ成分が含まれた薬です。
経口避妊薬またはOC(Oral Contraceptives)ともいい、1日1錠毎日服用します。
服用すると排卵が起こらなくなり、子宮頸管の粘度が上がって精子が子宮に入りづらくなる等の効果があります。
避妊効果以外に生理痛や月経前症候群(PMS)などにも効果があります。
他にも生理日を早めたり遅らせたりといった月経のコントロールでの目的でも使用できます。
低用量ピルは医師の診察を受け、「治療の目的で低用量ピルの処方が必要」と判断し処方された場合に健康保険が適用されます。
保険適用のピルは「LEP(low dose estrogen-progestin)」、保険適用外のピルは「OC(Oral Contraceptives)」と呼び、避妊目的や月経移動に用いる低用量ピルは保険適用外である自費ピルのOCとなります。
保険適用ができるのは月経困難症、子宮内膜症などの治療目的で処方される場合です。
ピルの妊娠確率はどれくらい?
ピルは正しく使用した場合は99.7%の避妊効果があります。
ピルは避妊率が高いとはいえ100%の絶対ではありません。
ピルとコンドームを併用するなど一つの避妊方法ではなく組み合わせて使用することで避妊率を高められます。
以下の表は避妊の失敗率(妊娠率)を示したものです。
ピルを飲み忘れたりせず正しく飲んだ場合、1年間の妊娠率は0.3%です。
ピルは他の避妊法に比べると高い避妊効果があります。
【各種避妊法使用開始1年間の失敗率(妊娠率)】
避妊方法 | 理想的な使用(%) ※正しく続けて使用している場合 | 一般的な使用(%) ※飲み忘れを含め一般的に使用している場合 | 1年間の継続率(%) |
---|---|---|---|
避妊しない | 85 | 85 | |
ピル(経口避妊薬) | 0.3 | 9 | 67 |
コンドーム | 2 | 18 | 43 |
殺精子剤 | 18 | 28 | 42 |
ペッサリー | 6 | 12 | 57 |
薬物添加IUD | 0.1~0.6 | 0.2~0.8 | 78~80 |
リズム法 | 0.4~5 | 24 | 47 |
不妊手術(女性) | 0.5 | 0.5 | 100 |
不妊手術(男性) | 0.1 | 0.15 | 100 |
参考文献:アメリカにおける避妊の失敗/ジェームス・トラッセル博士
外出しは避妊法ではない
膣外射精(外だし)は避妊方法としては適切ではなく避妊法にはなりません。
射精前の分泌液(カウパー液)にも精子は含まれます。
膣外射精の妊娠率は約22%と高いです。
4~5人に1人が妊娠する確率です。
低用量ピルを飲み忘れなく服用できていれば避妊成功率は99.7%と高い確率で防げますが絶対ではなく、低用量ピルの服用時も妊娠率は0.3%となります。
飲み忘れなどがある一般的な服用においては8%が避妊に失敗するといわれています。
先にご紹介したように避妊方法はどの方法も100%のものはないので、完璧な避妊に近づけるためにピルとコンドームを併用するなど複数の避妊法を組み合わせて使うダブルメソッドを取り入れると理想的です。
ピルで避妊する場合の注意点
ピルを使って避妊する場合には以下の注意点があります。
飲み忘れ
【ピルの飲み忘れによる避妊率の低下】
ピルは毎日服用することで効果を発揮します。
何日分飲み忘れたか、シートのどの部分(第何週目)で飲み忘れてしまったのかによって対処が変わります。
飲み忘れの時期によっては緊急避妊薬であるアフターピルの検討もおこないます。
休薬期間
【ピルの服用をやめる期間を設ける】
ピルには休薬期間を作ります。
ピルの服用をやめる期間のことです。
理由は休薬期間で卵巣を活動させる為です。
ピルを服用している間に休ませている卵巣を正常に保つために休薬期間はあります。
休薬期間明けが最もピルの飲み忘れが多い時期なので注意が必要になります。
副作用
【血栓症のリスクが上がる】
ピルに配合される卵胞ホルモン(エストロゲン)に、血液を固まりやすくする作用があるため血栓症のリスクが上がります。
血栓症とは血液に塊が出来て血管を詰まらせてしまう病気です。
脳梗塞や心筋梗塞で命に関わることも。
【ピルの服用開始初期に不正出血、吐き気、乳房の張り、むくみが起こる場合も】
ホルモンバランスが一時的に変化するために起こりますが、3ヶ月ほどで症状の多くはおさまってきます。
症状によってピルの種類を変えたり、症状に対して薬が処方される場合もあります。
中出しやアフターピルに関するよくある質問(QA)
中出しやアフターピルについてよくある質問をまとめました。
アフターピル服用で排卵が遅れ、その後の性交によって妊娠することも。
服用後は適切な避妊を行うことが重要です。
コンドーム使用や性行為を控えるなど油断しないようにしましょう。
日常的な避妊を考えている場合はアフターピルではなく、低用量ピルの選択肢があります。
精子も1週間生きている場合があったり、月経周期が乱れて不定期に排卵することもあり妊娠の可能性があります。
安全日というものは存在しません。
なるべく早いほうが緊急避妊効果は高くなります。
72時間を過ぎても120時間以内(5日以内)に服用するアフターピルもあります。
120時間を超えても早く服用した場合より避妊効果は落ちますが、一応避妊効果はあり全く効果が得られないわけではありません。
薬局、ドラッグストアなどでは一切購入出来ません。
通販で販売されているものはニセモノの可能性もあります。
どんな成分が入っているかわからず健康被害のリスクもあるので医療機関ではない通販での購入は危険です。
個人輸入の薬にはニセモノがあります。
日本製の薬剤であれば「医薬品副作用被害救済制度」という制度で救済を受けられます。
個人輸入のピルは健康被害があるものかもしれず、副作用についても制度の救済は受けられません。
また服用は72時間以内と急ぎますので到着に何日もかかるなどすると意味がなくなります。
参考サイト:偽造医薬品等情報センター あやしいヤクブツ連絡ネット
低用量ピルを購入する際はクリニックへ直接通院して医師から診察と処方を受けることが一般的ですが、最近ではオンラインクリニックの受診で手軽に低用量ピルを購入することができるようになりました。ただ、オンラインクリニックを受診せず、個人輸入[…]
年齢制限はありません。
保護者の同席や同意書は必要ありません。
保険対象外の診療なので保険証も不要です。
簡単な診療で処方され、深夜対応できるところもあります。
市販の妊娠検査薬での検査や産婦人科の受診をしましょう。
しかし出血しない人もいますし、消退出血ではなく不正出血の可能性もあるので、必ずしも出血したからといって避妊に成功したとはいえません。
服用後3週間以内に、普段と同程度の生理があれば避妊に成功したと判断します。
まとめ
ピル(低用量ピル)を服用時の中出しで、100%避妊できるわけではありません。
ピルの飲み忘れで正しく服用できていなかったり、飲酒や体調不良の下痢・嘔吐などでピルが吸収されていなければ、本来の効果は期待できません。
また、避妊に失敗したときの最後の砦「緊急避妊法」と言われるアフターピルの服用は、早ければ早いほど避妊効果が高くなります。
避妊ができたかどうか心配な場合は、アフターピルという手段があることを知っていれば、いざというときは落ち着いて対処できます。