低用量ピルを服用中に中出しすることで、妊娠する可能性があるのか気になっている方もいるかもしれません。
低用量ピルは「避妊したいタイミングに合わせて服用する」「3ヶ月程度服用を継続する」などを意識することで、妊娠確率0.3%を実現できる避妊薬です。
このように低用量ピルを正しく服用する場合には、高確率で避妊できます。
ただし、低用量ピルを飲んでいても中には想定外の妊娠をしてしまうケースもあり得ます。
そこで今回は、低用量ピルの服用中の中出しの危険性について解説していきます。
「ピルを飲んでいたのに妊娠してしまった…。」なんてことがないように正しい知識を身につけていきましょう。
低用量ピル服用中のゴムなし中出しは妊娠確率0.3~9%!
避妊方法 | 理想的な使用※ | 一般的な使用※※ |
---|---|---|
ピル(経口避妊薬) | 0.3% | 9% |
コンドーム | 2% | 18% |
子宮内避妊具(銅付加) | 0.6% | 0.8% |
ミレーナ | 0.2% | 0.2% |
リズム法 | 0.4~5% | 24% |
避妊無し | 85% | 85% |
※選んだ避妊法を正しく続けて使用しているにも関わらず妊娠してしまった場合
※※一般的な使用:選んだ避妊法を使用しているにも関わらず妊娠してしまった場合(経口避妊薬については、のみ忘れを含めた場合の失敗率)
引用元:National Library of Medicine
上記はパール指数(避妊に失敗する確率)です。ピルを理想的に使用すれば、妊娠確率は0.3%になりますが、一般的な使用では9%なってしまいます。
ピルは正しく飲めれば高い避妊効果に期待できますが、実際は飲み忘れや体調不良(服用直後の下痢・嘔吐)などで妊娠確率が9%まで上がります。
低用量ピルは確実に避妊できるとは限りませんが、正しく服用することによって高確率で避妊できます。同じ用量のピルを服用する際でも、正しい服用を心がけることで避妊率に大きな差が生じます。
低用量ピルを正しく服用するためには、以下の2点に注意しましょう。
- 低容量ピルとお酒を同時に飲まない
- 低容量ピル服用時に過度な飲酒は控える
低用量ピルとお酒を同時に飲むことで、低用量ピルの体内での分解が遅れる可能性があります。お酒と低用量ピルのどちらも肝臓で分解される性質があるため、低用量ピルの分解にも影響するためです。
また、低用量ピルを服用することで、血栓症リスクが高まります。血栓症は血管に血の塊が発生し、血管が詰まる病気です。
お酒を飲み過ぎてしまうことで尿を放出し、体内の水分不足が発生します。水分不足によって脱水症状を引き起こすことで血液が固まり、血栓症の発症リスクが上昇することにも繋がります。
適量の飲酒なら低用量ピルの服用に影響しませんが、過度な飲酒量は副作用や避妊率の変動に影響を与えるため、適量の飲酒にするよう心がけましょう。
【中出しNG?!】低用量ピルを服用していても避妊すべき3つの理由
ここでは、低用量ピルを服用していても避妊すべき3つの理由について解説していきます。
ピルを服用していても、場合によっては想定外の妊娠をしてしまう可能性があります。
きちんと避妊したい場合は、服用の仕方に注意してくださいね。
1、飲み忘れてしまう可能性があるため
低用量ピルを飲み忘れてしまうことで、正しく避妊できない可能性があります。低用量ピルの服用は日頃から習慣化されていないため、服用するタイミングを無意識に忘れるケースがあるためです。
また、低用量ピルは28錠または21錠で販売されていますが、21錠分の低用量ピルを購入することで、避妊薬の休息期間が発生し、服用を休止する期間が生じます。
休止期間が続くことで、低用量ピルの飲み忘れが発生する可能性があります。
低用量ピルの服用を忘れないためにも、以下の2点を意識して服用しましょう。
- 低用量ピルを服用する時間を決める
- 飲酒の前に低用量ピルを服用する
服用の時間を決め、飲酒前に低用量ピルを服用しないなど、少しの心がけを意識することで、低用量ピルの飲み忘れを防止できますよ。
2、服用するタイミングで避妊効果が異なる可能性があるため
低用量ピルの服用するタイミングによって、避妊効果が得られるタイミングが異なります。
低用量ピルは避妊効果をすぐに得られるわけではなく、服用後から5日から7日後程度経過後に避妊効果が現れます。
そのため、避妊効果を得たい日時から逆算し、低用量ピルを服用しましょう。
例えば、週末だけ避妊効果を得たいなら、避妊効果を得たい週の日曜日に低用量ピルを服用します。日曜日から1週間後の土曜日には避妊効果が得られるため、望まない妊娠を避けられます。
避妊したいタイミングに合わせて、低用量ピルを服用しましょう。
3、成分が体に吸収されていない可能性があるため
低用量ピルの服用時に「嘔吐」や「下痢」をしてしまうことで、避妊薬の成分が体内に吸収されていない可能性があります。低用量ピルに含まれる成分が体内に吸収されるまでには、約2時間程度の時間がかかるためです。
上記の理由から、低用量ピルの服用後から2時間以内に「嘔吐」や「下痢」をしてしまった場合には、成分をうまく体内に吸収できていない可能性が大いに考えられます。
また、低用量ピルの飲み始めは「嘔吐」や「下痢」、その他の副作用が起こりやすい傾向にありますが、3ヶ月程度の期間を継続的に服用することで、次第に落ち着いてくるのが一般的です。
避妊を目的とする人は、3ヶ月前から低用量ピルを服用しましょう。
低用量ピルを飲み忘れた時の対処法
- 1日飲み忘れた場合:気付いた時点で1錠飲んでその後はいつもの時間に飲む
- 2日飲み忘れた場合:気付いた時点で2錠まとめて飲んで、その後はいつもの時間に飲む(ただし7日連続で内服できるまで別の避妊方法を取り入れるか性交渉を避ける)
- 3日以上飲み忘れた場合:内服を止めて、月経がくるのを待ち月経がきたタイミングで新しいシートを始める(月経がくるまでは別の避妊法を取り入れるか性交渉を避ける)
引用:クリニックフォア
低用量ピルを飲み忘れた場合には、飲み忘れた日数によって低用量ピルを服用することで避妊できます。
1日分の低用量ピルを飲み忘れた場合には、気づいた時点で一錠服用しましょう。服用するタイミングが普段飲んでいる時間に近い場合には、低用量ピルを2錠分まとめて服用します。
同じ1日分の飲み忘れでも、飲み忘れに気づいた時刻によって、低用量ピルの錠剤を調整しましょう。
次に、2日分飲み忘れた場合は、2錠分の低用量ピルを服用しましょう。2日飲み忘れた場合には、妊娠する確率が高くなります。
そのため、7日連続で低用量ピルを服用し続けることで、再度避妊率を高められます。
また、7日間連続の低用量ピルの服用の際には、万が一の妊娠を想定して性交渉を避けましょう。
3日以上飲み忘れた場合には、一度低用量ピルの内服を中止し、生理が来たタイミングで新たなシートを開始しましょう。
3日以上の飲み忘れは妊娠の可能性が高くなるので、飲み忘れることのないように注意してください。
【結論】避妊効果と性感染症予防をしたいなら低用量ピルとコンドームを併用するのがおすすめ!
避妊効果を高めつつ、性感染症予防もきちんとすることを考えるなら低用量ピルとコンドームを併用しましょう。
低用量ピルを服用することで妊娠する確率を大きく下げられますが、先ほども説明した通り、想定外の妊娠もあり得ます。
そのため、より安心感を高めたいならコンドームを併用することが望ましいです。
また、性感染症という観点で見ると、ピルだけでは防ぐことはできません。
コンドームを着用することで、性感染症を予防する効果が得られます。女性の場合は男性と違って気づきにくいですし、性病が悪化することで不妊症につながるケースもあります。
避妊だけでなく、性感染症予防という観点からもコンドームを併用することをおすすめします。
想定外の中出しに緊急で対処したい場合はアフターピル(緊急避妊薬)という選択肢も!
- 72時間以内に服用することで、避妊率を高められる
- 7,000〜15,000円程度の価格が平均相場
- 医療機関やオンライン診療に対応しているクリニックで処方してもらえる
性交渉中における想定外の中出しには、アフターピルを服用することで緊急避妊できます。アフターピルは避妊に失敗した状況においても、72時間以内に服用することで、避妊率を高められます。
ただし、避妊効果は100%ではありません。ピルの種類や飲むタイミングによって避妊効果が大きく変わり、性交渉から服用までの期間が短いほど高い効果が期待できます。
アフターピルの平均相場は7,000〜15,000円程度で、医療機関やオンライン診療に対応しているクリニックで処方してもらえます。
薬局やドラッグストアなどでは販売されていないので注意しましょう。
ちなみに緊急避妊の方法としては以下の2種類があります。
- ヤッペ法
- レボノルゲストレル法
レボノルゲストレル法はヤッペ法と比べて服用回数が1回で済みますし、緊急避妊の効果が高く、安全性にも優れている避妊方法です。
医療機関やオンライン診療に対応しているクリニックを受診して、正しく服用するようにしてください。
まとめ
今回は「低用量ピルの服用中の中出しの危険性について解説!」についてご紹介しましたがいかがでしたか?
低用量ピルは正しく服用することで高い避妊率を実現することが可能です。
また、性感染症予防を意識したいなら、低用量ピルに加えてコンドームを併用しましょう。
さらに、性交渉中における想定外の中出しにはアフターピルを服用することで、万が一にも備えることができるので、よかったら参考にしてみてくださいね。