「ヤーズ」とは月経困難症の方の治療に適応した超低用量ピルです。
超低用量ピルには、月経周期調整や月経困難症などの婦人科疾患に対する治療にも幅広く使われています。そのため様々な種類の超低用量ピルが症状や希望の内服方法や保険適用か自費診療かなどの要素によって選択できる幅が広がっています。
今回はその中から超低用量「ヤーズ」に注目して効果や副作用、比較的新しいヤーズフレックスや他のピルとの違いを詳しく徹底解説していきます。
「低用量ピルを飲みたいけど、どこで処方してもらうのが良いの?」「どこで処方してもらっても値段は同じ?」と気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では低用量ピルを処方してもらえるおすすめクリニックを11選紹介していきます。[…]
超低用量ピル「ヤーズ 」とはどんなピル?
超低用量ピル「ヤーズ」とは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンの混合剤です。卵胞ホルモンのエチニルエストラジオールの含有量が0.02mgとピルの中でも最も少ない量で超低用量ピルに分類されています。ヤーズの主な特徴3つを詳しく解説します。
月経困難症の治療薬として保険適用で処方される
一般的にピルは自費診療になる場合が多く、ピルの種類や処方する病院によっては高額になる場合もあります。ここでご紹介する超低用量ピル「ヤーズ」は、月経困難症の治療薬として医師が診断すれば保険適用で処方してもらえるピルです。
月経困難症とは、月経中に起こる下腹部痛や腰や背中の痛みや他にも頭痛や吐き気、便秘や下痢などの腸管症状や、寒気や発熱、異常な経血の量による貧血などの症状で日常生活に支障が出てくる場合を言います。
原因の全く違う機能性月経困難症と器質性月経困難症の2種類があり、機能性月経困難症とは他の病気とは関係なく症状が起こるものです。子宮の収縮が強く起こるために感じるもので、10代に多くみられるのが特徴です。
気質性月経困難症は病気が原因で症状が起こるもので、その主な病気には子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症の3つが代表的です。20代以上で多く起こり、年を重ねると共に強まっていく傾向があります。
このような月経困難症の症状で悩んでいる方は、医師から病気と治療に必要だと診断されれば超低用量ピル「ヤーズ」を保険適用で処方してもらうことができる場合もあります。
PMSの改善が期待できる
超低用量ピル「ヤーズ」は、PMS(月経前症候群)の改善が期待できると言われています。中等度以上のPMSの治療として、混合ホルモン剤が選択される場合があります。その場合、ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠などの低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬が用いられることがあります。
ただし、海外の臨床治験で有用性が確認されていますが、ヤーズをPMSの治療に用いる場合、日本ではまだ未承認なので保険適用外になります。
PMSとは、premenstrual syndromeの略称で、日本語では月経前症候群と言います。生殖年齢にある女性の70〜80%が月経前の期間に何らかの症状を経験すると言われていますが、PMSの症状が強く日常や社会生活にも支障が出る頻度は5.4%と言われており、治療の対象となります。PMSには多種多様な症状があり、個人によって時期や期間、症状の強さも違うのが特徴です。
PMS(月経前症候群)の諸症状 | |
---|---|
身体的症状 | 精神的症状 |
下腹部痛・腹部膨満感 | 抑うつ |
乳房緊満感・腫脹 | 怒りの爆発 |
頭痛・めまい | 不安 |
腰痛、背中の痛みなどの関節痛・筋肉痛 | 混乱 |
体重増加 | 社会的引き込もり |
手足の腫脹・浮腫み | 注意散漫 |
肌荒れ、ニキビ | 睡眠不足 |
PMSの改善が期待できると言われるドロスピレノン・エチニルエストラジオールは、超低用量ピル「ヤーズ」の一般名ですので、「ヤーズ」はPMSの症状改善にも使われています。
休薬期間が短くホルモンの変動が少なくむくみの心配も少ない
低用量ピルの休薬期間は7日に設定されているものが一般的です。その中で超低用量ピル「ヤーズ」の休薬期間は4日間と他のピルに比べて短く設定されているため、一般的なピルと比較すると体内のホルモン量の変動が少ないので副作用が出にくいと言われています。
ピルの副作用には頭痛や不正出血の他に浮腫む場合もあります。ヤーズに配合されている黄体ホルモン「ドロスピレノン」には、弱い抗ミネラルコルチコイド作用があり、腎臓に作用するのでさらに浮腫みにくいと言われています。
超低用量ピル「ヤーズ 」とその他の超低用量ピルの違い
ピル「ヤーズ」は、超低用量ピルに分類されます。ここではその他の超低用量ピルとどんな違いがあるか、その他に分類されているピルとの違いをそれぞれ解説していきます。
超低用量ピル、低用量ピル、中用量ピルの違いは?
超低用量ピル | 低用量ピル | 中用量ピル | |
---|---|---|---|
エチニルエストラジオール 含有量 | 0.03mg以下 | 0.030〜0.035mg | 0.05mg以下 |
★月経困難症の治療
★PMS・子宮内膜症の治療
★避妊
★月経困難症の治療
★月経の日にち移動
★月経リセット
まず、ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンを混ぜた混合ホルモン剤です。その中の卵胞ホルモンである「エチニルエストラジオール」の含有量により、中用量〜超低用量ピルに分類されます。
超低用量ピルは、月経困難症・PMS、子宮内膜症の痛みに対してなどで使われています。
低用量ピルは、避妊や月経困難症の治療にも使われています。
中用量ピルは、月経の日にち移動や月経リセットで使われています。アフターピルとして処方されることもあります。
超低用量ピルは低用量ピルよりさらに卵胞ホルモンの含有量が少ないので、重篤なピルの副作用である血栓症などの出現の頻度が低く安全に服用できるようになりました。そのため連続使用が可能になったピルもあり、より効果が期待できます。
「ヤーズ」「ヤーズフレックス」と「ジェミーナ」「フリウェル」の違い
ヤーズ | ヤーズフレックス | ジェミーナ | フリウェル | |
---|---|---|---|---|
自費診療における料金相場 | 7,000~10,000円 | 7,000~10,000円 | 6,000円前後 | 2,000円前後 |
保険診療における料金相場 | 2,000円前後 | 2,000~3,000円 | 1,760円~ | 540円~ |
超低用量ピルで「ヤーズ」「ヤーズフレックス」と「ジェミーナ」「フリウェル」の違いについて解説していきます。まず、「ヤーズ」は実薬とプラセボ薬があります。「ヤーズフレックス」は「ヤーズ」の実薬だけを1シートにした超低用量ピルで、ピルの組成は同じものです。
「ヤーズ」の特徴は、黄体ホルモンを使用し、超低用量ピルのため副作用が起こりにくい、休薬期間が4日と短い、むくみが少ない、ニキビ改善に有効です。
「ヤーズフレックス」の特徴は、最長120日の連続服用可能、好きなタイミングで休薬でき、月経を調整可能、ニキビ改善に有効です。
「ジェミーナ」の特徴は、最長77日の連続服用可能、不正出血および頭痛や吐き気などの副作用が起きにくい、血栓症のリスクが低いです。
「フリウェル」の特徴は、月経困難症治療での保険適応薬で後発医薬品のため患者負担額が少ない、頭痛や吐き気などの副作用が出現しにくいです。
黄体ホルモン成分 | |
---|---|
第一世代 (1960年代に登場) | ノルエチステロン |
第二世代 (1960年代に登場) | レボノルゲストレル |
第三世代 (1980年代に登場) | デソゲストレル |
第四世代 | ドロスピレノン |
参考記事:厚生労働省
ピルには、「第一世代」「第二世代」「第三世代」「第四世代」に分けられています。これは配合される黄体ホルモン(プロゲストーゲン)成分の種類によって分類されます。
配合パターン | |
---|---|
1相性 | 1シートに配合されている実薬のホルモン量が一定 |
3相性 | 1シートに配合されている実薬のホルモン量が3段階に分かれている |
参考記事:厚生労働省
そして、配合パターンで分けられる「1相性(そうせい)」「3相性(そうせい)」もあります。
以下の表で「ヤーズ」「ヤーズフレックス」と「ジェミーナ」「フリウェル」は、何世代、何相性なのか比べてみました。
世代 | 相性 | |
---|---|---|
ヤーズ | 第四世代 | 1相性 |
ヤーズフレックス | 第四世代 | 1相性 |
ジェミーナ | 第二世代 | 1相性 |
フリウェル(LD・ULD) | 第一世代 | 1相性 |
上記の表を見ると、世代(配合される黄体ホルモン(プロゲストーゲン)成分)は異なりますが、相性は全て1相性と実薬に含まれるホルモン量が一定の配合パターンでした。
超低用量ピル4種類を比較した結果、フリウェルが第一世代のピルで、月経困難症の治療に適していると言われています。ジェミーナは、第三世代のピルで、不正出血が起こりにくいとされています。
ヤーズ、ヤーズフレックスは保険適用範囲は異なりますが、第四世代のピルで月経困難症などの治療薬で皮膚科ではニキビ治療にも使われています。また、黄体ホルモンの影響で副作用のむくみが起きにくいので副作用を気にする方にも選択肢の一つです。
ヤーズ、ヤーズフレックス、ジェミーナ、フリウェルはどれも医師の診断がつけば保険適用で処方してもらうことが可能なピルで、超低用量なので血栓などの副作用が起こりにくいとされています。フリウェルのみルナベルのジェネリック医薬品なので安く処方してもらえることもあります。
超低用量ピル「ヤーズ 」の効果
ピル「ヤーズ」の効果についてご紹介します。
月経困難症の治療
「ヤーズ」は月経困難症に適応があり、治療目的で使用されます。
月経困難症とは、生理痛が非常に強くなってしまう病状のことです。症状は人によってそれぞれ異なりますが、生理痛だけでなく、腰痛、頭痛、吐き気、下痢、便秘などの身体的症状や、イライラ感、憂鬱、不安感などの精神的な症状が起こることもあります。
「ヤーズ」を内服することで、月経時に生じる痛みを軽減する効果や、月経困難症の改善が期待できます。
生理不順を改善するために低用量ピルの服用を検討していても、服用後の効果について知らない人もいるかもしれません。低用量ピルは2,000〜3,000円の低価格で、生理不順の改善や肌荒れ改善に効果が得られる避妊薬です。また、「血液[…]
PMSの改善
「ヤーズ」は黄体ホルモンと卵胞ホルモンの作用で、卵胞の発育を抑制させて排卵が抑えられます。そのため女性ホルモンが安定するのでPMS(月経前症候群)の改善が期待できます。
PMSとは月経前症候群のことであり、月経開始の3~10日前より身体的・精神的に現れる不快な症状のことを言います。症状は人それぞれであり、程度も軽度なものから日常生活に支障をきたすほどの方もいます。頭痛や下腹部痛などの身体的症状や、動悸やめまいなどの自律神経症状、イライラ・抑うつ、不安などの精神的症状など多岐にわたります。
PMSの原因は女性ホルモンの変動によるものだと考えられており、「ヤーズ」を内服することでホルモンバランスが安定するため改善に有効です。
生理日を移動できる
- ずらしたい生理の1つ前の生理開始5日目までにヤーズの内服を開始
- 最低14日以上内服継続し、飲み終えると2,3日後に生理が来る
- ずらしたい生理予定日の5~7日前からヤーズの内服を開始
- 生理を避けたい日まで内服すると2,3日後に生理が来る
「ヤーズ」は内服方法によって生理日を移動することが可能です。早める場合と遅らせる場合では内服の仕方が異なるので注意が必要です。
「ヤーズ」を内服している期間は基本的に生理が来ません。ただし、月経移動をするにあたり、医師とも相談しておこなうようにしてください。
生理の出血量を減少させる
「ヤーズ」内服により、生理の出血量を減少させる効果があります。
月経困難症の原因の1つに子宮内膜症があります。子宮内膜症は、骨盤内や卵巣など子宮以外の場所で子宮内膜のような組織が増殖する病気です。
増殖した組織は子宮内膜と同様に生理がくると崩れて出血を起こします。そのため、月経困難症で子宮内膜症などの器質性な場合は強い生理痛や生理の出血量が多くみられます。
「ヤーズ」を内服することにより、ホルモンバランスが安定すると排卵が抑制され、子宮内膜が通常より薄くなるため、生理の出血量が減少し、痛みも軽減される効果があります。
ヤーズに避妊効果なしはウソ
「ヤーズ」は月経困難症の治療目的のための低用量・超低用量ピルですので、避妊を目的として処方されることはありません。「ヤーズ」に含まれるホルモンの配合量が、避妊効果が期待される他の低用量ピルと比較して少ないので避妊効果があるとは言いきれません。
一般的な低用量ピルの避妊効果は内服開始後8日以降からと言われていますが、「ヤーズ」に関しては超低用量ピルのため避妊率に対するデータがありません。
他の避妊効果のあるピルと比較してもホルモンの配合量が少ない「ヤーズ」は避妊率は低いと考えられるでしょう。
避妊目的でピルを希望される方は、医師に相談してください。
ピル「ヤーズ」の副作用
「ヤーズ」の副作用には頭痛、吐き気、不正出血、むくみ等、その他にも副作用の症状がみられることがあります。
血栓症のリスク
「ヤーズ」の重大な副作用の1つとして血栓症というものがあります。血栓症は、血管内に血液の塊である血栓が生じ、詰まってしまうことで血液が流れなくなり様々な障害を引き起こすもので、最悪の場合生命を脅かすリスクがあります。
「ヤーズ」を内服して、①突然の足の痛みや腫れ、②手足の脱力・マヒ、③突然の息切れ、押しつぶされるような胸の痛み、④激しい頭痛、舌のもつれ・しゃべりにくい、⑤突然の視力障害(見えにくいところがある、視野が狭くなる)などのような症状が現れた場合は血栓症の疑いがあるので、内服を中止し、直ちに救急医療機関を受診してください。
血栓症予防対策として、長時間同じ姿勢でいることを避けるために適度に体を動かしたり、脱水にならないためにこまめに水分をとるようにしましょう。
吐き気などの副作用のリスクが少ない
「ヤーズ」の副作用において吐き気は内服開始後初期に起こりやすく、ほとんどの場合1~2ヶ月で症状が落ち着いてきます。個人の体質によって差がありますが、内服して3ヶ月経った頃には副作用症状は気にならなくなります。
しかし、3ヶ月経過しても症状が続いたり、症状がひどくなるようでしたら医師に相談してください。
太るわけではない
「ヤーズ」に限らずピルを飲むと太るのでは?と心配される方もいるのではないでしょうか。「ヤーズ」の内服と体重増加は関係がありません。
「ヤーズ」の内服による副作用でむくみがあります。むくみの原因は卵胞ホルモンの高い保水作用によるものです。また、「ヤーズ」に含まれる黄体ホルモンに食欲増進作用があります。これも一時的なもので1~2ヶ月するとだいたい落ち着いてきます。
以上のことから「フリウェル」の副作用で太ったと感じる原因はむくみと食欲増進による食べすぎです。いずれにしても徐々に落ち着いてきますが、適度な運動と食生活を見直してみることが大切です。
ピル「ヤーズ」を服用できない人
ピル「ヤーズ」を服用できない人をご説明します。
※ここで説明していることは、「ヤーズ」のみならず超低用量ピル全般を服用できません。
血栓素因のある方
血栓性素因とは静脈や動脈に血栓が生じやすい傾向にあるということです。
血栓素因のある方は、血栓症等の心血管系の障害が発症しやすくなるという報告がされているため、ピル「ヤーズ」を服用できません。
生まれつき血栓が生じやすい体質(たとえば、血液が体の中で固まらないようにする成分が少ない人)を持っている人を先天性血栓素因のある人といいます。
一方、糖尿病、高脂血症、重症感染症にかかっている人や、血液凝固因子製剤の投与を受けている人を後天性血栓性素因のある人といいます。このような体質の人がピルを服用すると、血栓が生じやすくなることが知られています。血栓が生じる危険を回避するためには、ピルの処方を受ける前に、医師に申し出てください。
また、治療を要するほどの脱水症状や長期間体を動かせない状態の人、著しい血圧の上昇が生じた場合などには、血栓を起こしやすくなりますので、注意が必要です。引用元:リプロ・ヘルス情報センター
35歳以上で1日15本以上たばこを吸う方
35歳以上で1日15本以上たばこを吸う喫煙者の方は、心筋梗塞などの心血管系の障害が発生しやすくなるという報告がされているため、ピル「ヤーズ」を服用できません。
致死的症例は非致死的症例に比較して,35才以上や前回のOC使用歴のある症例が多
く,VTEリスクに影響する薬剤使用中や血管リンパ管の奇形を有する症例が多かったと報告して
いる。
年齢も同様に加齢と共にVTEリスクは上昇する.30〜34才のVTEリスクを1.0とした場合,30
才未満では1.0以下であるが,35~39才で1.18(1.05~1.32),40~44才で1.57(1.41~1.74),45~49
才で2.09(1.88~2.32)と45才を超えるとリスクは2倍以上となる39).van Hylckama VliegらはOC
とVTEリスクにつき,年齢との関係を検討している.その結果,30才未満の女性にOC投与した
場合のVTEのRRは3.1 (2.2~4.6)で,30~40才では5.0 (3.8~6.5),40~50才で5.8 (4.6 ~7.3)とOC
投与によるVTEリスクは年齢とともに上昇することが示されている。喫煙は心筋梗塞リスクのみならず VTE リスクも上昇させる.Pomp らの報告によれば,これ
まで喫煙の経験がない場合の VTE の OR を 1.0 とした場合,これまで喫煙の経験がある場合の
OR は 1.63(1.00~2.67),現在喫煙している場合の OR は 2.03(1.33~3.11)まで上昇する.一方,喫
煙経験がないOC使用のORは3.90(2.63~5.79)で,喫煙経験のあるOC使用者は4.83(2.89~8.08),
現在喫煙している場合は 8.79(5.73~13.49)にまで上昇することがわかっている。引用元:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤(CQ40,41参照)
前兆を伴う偏頭痛
前兆を伴う片頭痛のある方は、前兆を伴わない片頭痛患者と比べ、脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるという報告があるため、ピル「ヤーズ」を服用できません。
片頭痛は OC の使用に関係なく 20−40 歳の本邦女性に罹患率が高く,30 歳代では約 20%,40
歳代では約 18%とされる 1).OC 使用に際しては,有害事象として脳卒中リスクが増加すること
を考え,投与前の頭痛,投与中の新規頭痛発症や症状の増悪に遭遇した場合には片頭痛である
かないかの診断がまず必要である。引用元:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤(CQ51参照)
脂質代謝異常・重度の高血圧
脂質代謝異常・重度の高血圧の方は、血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるという報告があり、また症状が増悪することがあるため、ピル「ヤーズ」を服用できません。
摂取した栄養物質を変化させて体の一部を作ったり、活動のエネルギー源とし、不必要な生成物を排出するために起こる生体内の複雑な化学反応を代謝といいますが、脂質に関係する代謝が正常に出来なくなることを脂質代謝異常といいます。脂質代謝異常によって起こる病気には、糖尿病や高脂血症などがあります。
引用元:リプロ・ヘルス情報センター
妊娠中、授乳中の方
ピル「ヤーズ」は妊婦および授乳中の方には服用できません。
卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮及び子宮内膜の悪性変性を示唆する結果が報告されており、また新生児(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮の悪性変性を認めたとの報告があるため、ヤーズを服用できません。
また授乳中の方は、母乳の量的質的低下が起こることがあり、母乳中への移行、児において黄疸、乳房腫大が起こるとの報告があるため、ヤーズを服用できません。
1.授乳婦は,産後 6 か月以降に服用を開始する
2.非授乳婦は,他に VTE の危険因子が無い場合は産後 21 日以降に,他に VTE の危険因子が
有る場合は産後 42 日以降に,服用を開始する引用元:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤(CQ8参照)
乳がんの方
乳がんの方は、腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがあるため、ピル「ヤーズ」を服用できません。
また、乳がんの既往歴がある方は、乳がんが再発するおそれがあります。
乳がんの家族歴または乳房に結節がある方は、定期的に乳房検診を行うなど慎重に投与することが必要です。エストロゲン投与と乳癌発生との因果関係についてその関連性を示唆する報告もあります。
乳癌、子宮体癌、子宮頚癌や子宮筋腫は女性ホルモンの1種である卵胞ホルモン(エストロゲン)によってその発症や増殖が促されるといわれています。従って、乳癌、子宮体癌、子宮頚癌や子宮筋腫およびその疑いのある人がピルを服用すると、ピルに含まれている卵胞ホルモンにより症状が悪化するおそれがあるため、これらにあてはまる人はピルをのまないようにしてください。
引用元:リプロ・ヘルス情報センター
ピル「ヤーズ」の飲み方
超低用量ピル「ヤーズ」を服用する際に覚えておきたい4つのポイントについてそれぞれ詳しく解説していきます。
「ヤーズ」の基本的な飲み方は以下の通りです。
24日服用+4日間休薬
- 月経がはじまった日から飲み始める
- 1日1錠を毎日一定の時刻に飲む
- 1~3週目の24日間連続して飲む
- その後の4週目(25日目)からの4日間はプラセボ薬を飲む
- 4週間(28日間)を1周期とし、同様の方法で繰り返す
4週間が終わったら出血の有無にかかわらず、翌日(29日目)から新しいシートの薬を飲み始める
超低用量ピル「ヤーズ」の飲み方は、24日服用+4日間休薬する方法です。他の超低用量ピルと大きく違うのは、飲み忘れ防止の目的や休薬から再開するタイミングを間違えないように休薬日はプラセボ薬を飲むように工夫されているところです。
ヤーズは1シート28錠からなっています。淡ピンクの実薬24錠を飲んだ後、4日間の休薬期間は白いプラセボ薬を続けて飲みます。そのため、休薬期間もずっとシートの順番通りに飲み続ければ良いだけになっています。
1シート目のヤーズを飲み終わった後、続けて2シート目の一番最初から飲み続けます。毎日1錠ずつ続けて飲んでさえいれば間違えることはないのでとても便利です。
ピル「ヤーズ 」を飲み忘れたときの対処法
ヤーズは飲み間違えがないように工夫されたピルですが、万が一飲み忘れた時の対処法をご説明します。
「ヤーズ」を飲み忘れた場合でも焦らずに対処しましょう。
1錠飲み忘れた場合(直前の服用から24時間未満の場合)
ピンク色の錠剤を飲み忘れたことに気づいた時はすぐに1錠飲んでください。当日の分はいつも通りの時間になったら飲みます。いつも「ヤーズ」を飲んでいる時間に前日の飲み忘れに気づいた場合は、前日の薬と当日の薬の2錠をまとめて飲んでください。
白いプラセボ薬を飲み忘れた時は、飲み忘れた分も飲んだものとみなして順番通り飲みます。(スキップした分は廃棄になります。)
2錠以上飲み忘れた場合(直前の服用から24時間以上経過している場合)
もし、2錠以上飲み忘れた場合は、慌てて2錠以上を一度に飲んではいけません。2錠以上飲み忘れた場合は、飲み忘れに気づいた時にすぐ前日の分の1錠を飲みます。当日分はいつも「ヤーズ」を飲んでいる時間になったら飲みます。そのため、ヤーズの飲み終わる予定が当初の予定からずれて遅れますのでご注意ください。
1日に「ヤーズ」を内服できるのは2錠までです。
休薬期間中に生理が来ないときの対処法
まれに白い錠剤のプラセボ薬を飲んでいる期間中に生理が来ない時があります。妊娠の可能性も考えられますので、医師にご相談ください。
妊娠する可能性がない方は、生理が来なくても通常通り新しい「ヤーズ」シートの錠剤を飲み始めます。
服用後に生理がくるのはいつ?
ヤーズは24日間内服後、プラセボ薬を飲んでいる4日間の間に生理がくるようになっています。飲み初めの1〜2ヶ月は生理とは違う軽い出血を伴うこともあり、マイナートラブルと言われています。大抵は3ヶ月続けてヤーズを飲んでいると体が薬に慣れてきて治ります。
予定通り生理が来ない方もいますが、2周期連続して生理が来ない場合は、医師の診察を受けてください。
ピル「ヤーズ」を購入する2つの方法
超低用量ピル「ヤーズ」は医薬品であり、安心かつ安全に購入するためには、必ず医師の診察と処方が必要です。ヤーズを購入する方法は2つあります。
クリックまたは病院で処方してもらう
安心・安全にピル「ヤーズ」を購入するためには、クリニックまたは病院を受診し、診察を受けて処方してもらう方法が一般的です。
婦人科を標榜しているクリニックや病院であれば専門であり、自分が服用の適応であるかや内服後の経過、副作用などの時も相談できて安心です。
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診察料 | 2,200円 |
送料 | 0〜550円 |
配送方法 | 日本郵政、ヤマト運輸 |
支払い方法 | クレジットカード 後払い 銀行振込 LINE Pay |
診療時間 | 365日24時間 |
予約方法 | HPから予約 |
24時間診察予約後30分以内に診察開始
電話診療に対応
毎月発送プランで購入忘れの心配がない
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クリニックフォア | |
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ヤーズの料金 | ヤーズは取り扱い無し ヤーズフレックス:12,100円or10,285円/月(定期配送) |
診察料 | 1,650円(税込・自費) 2回目以降の処方は、診察後1年以内であれば診察料なし |
送料 | 550円 |
配送方法 | ヤマト運輸ネコポス |
支払い方法 | クレジットカード デビットカード GMO後払い 代金引換 |
診療時間 | 平日:9:00〜21:00 土日:9:00〜18:00 |
予約方法 | HPから予約 |
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支払い方法 | クレジットカード ペイディ後払い NP後払い キャリア決済(au・SoftBank) Amazon Pay |
診療時間 | 平日10:00〜23:00 土日10:00〜21:00 祝日休み |
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スマホやPCを使ってビデオ通話で受診
医師との診察は、電話かビデオチャットかを選択できます。予約時間の15分前にメールでお知らせが届きます。ビデオチャット診察の方は、メールにURLが送られてきます。
予約時間になると看護師から電話がきます。問診票を確認しながら、医師の診察の上、ピルが処方されます。
※大変予約が殺到しているため、稀に前の診療が長引き、5~10分程度遅延が発生する場合があります。
お支払い
お支払い方法は、クレジットカード、GMO(後払い)が可能です。
※お薬到着後、コンビニ・銀行・郵便局・LINE Payでお支払いいただけます。
自宅にピルが届く
プライバシーに考慮したシンプルな封筒で、ネコポスでお届けとなります。ご依頼主欄を「お届け先」と同上としてクリニックからの荷物とわからないようにすることができます。
また名目欄は「お品物」として送られるため、他の人が見てもわからないようになっています。
ピル「ヤーズ」に関するよくある質問・回答(FAQ)
超低用量ピル「ヤーズ 」とヤーズフレックスの違いは?
「ヤーズ」は実薬とプラセボ薬があります。「ヤーズフレックス」は「ヤーズ」の実薬だけを1シートにした超低用量ピルで、ピルの組成は同じものです。
「ヤーズ」と「ヤーズフレックス」の違いを詳しく知りたい方はこちら
超低用量ピル「ヤーズ 」の副作用は?
「ヤーズ」の副作用には頭痛、吐き気、不正出血、むくみ等、その他にも副作用の症状がみられることがあります。
上記リンクにて詳しくご説明しています。
「ヤーズ」の値段の相場は?
ヤーズ値段(1シート) | |
---|---|
保険3割負担 | 1,800円〜2,100円 |
自費診療 | 10,000円〜11,220円 |
超低用量ピル「ヤーズ」は月経困難症で保険適用可能になる場合があります。保険適用ですとヤーズ1シートの値段は、1,800円〜2,000円でした。ヤーズの自費診療の値段相場は10,000円〜11,200円でした。
保険適用でヤーズを処方してもらった場合、薬代以外にも初診料または再診療、検査料、院外処方箋料、指導料などが毎回かかります。さらに通院のための交通費が往復かかります。自費診療でヤーズを処方してもらう場合、他に初診料はかかりますが、再診や同じピルの処方の場合は再診療やその他の諸経費はかからないことが多いです。(血液検査などは別)
「ヤーズ」は何歳から何歳まで服用できる?
「ヤーズ」は10代から健康状態に問題がなければ服用可能です。また、35歳以上の方は喫煙習慣などがなく、特に病気の恐れがないのであれば服用できます。
「ヤーズ」を服用できない方は以下になります。
40歳以上の方でも閉経前で妊娠するのが心配という方は医師の診察によりピルを飲むことは可能ですが、「ヤーズ」は避妊目的のピルではないため他のピルを処方されます。
「ヤーズ」が保険適用になる条件は?
超低用量ピル「ヤーズ」が保険適用になる条件は、保険診療可能な病院で医師から月経困難症で治療が必要だと診断されることです。ヤーズの服用目的が重要になります。
健康保険が使える診療には病気や怪我の治療に必要な場合です。ピルは以前避妊目的で使用されていましたが、近年は月経困難症などの治療目的に使用することでピルの処方が保険適用されています。
ヤーズは月経困難症の治療でのみ保険適用が認められていますので、ヤーズが保険適用になる条件は月経困難症の診断を医師にしてもらうこととなります。
「ヤーズ」は避妊できる?
超低用量ピル「ヤーズ」の添付文書を確認すると、文章の中にある「重要な基本的注意」という項目で、「本罪を避妊目的で使用しないこと。日本人における避妊目的での有効性及び安全性は確認されていない」と明記されています。
海外で「ヤーズ」は避妊目的で使われていますが、日本においてヤーズは月経困難症治療薬としてのみ認可されているので、避妊が主な目的で処方することはできません。避妊は病気の治療ではありませんので、保険適用外の自費診療となります。
まとめ
超低用量ピル「ヤーズ」とは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンの混合剤です。卵胞ホルモンのエチニルエストラジオールの含有量が0.02mgとピルの中でも最も少ない量で超低用量ピルに分類されています。
ヤーズは月経困難症の治療を目的として処方されます。
また、「ヤーズ」は保険適用になるピルですが、適用条件には月経困難症である診断が必要となります。ご自分の症状を十分医師に説明したうえでヤーズ服用をご検討してみてください。