歯列矯正は治療期間が長く、治療費用が高額なため、検討中の方はインターネットやSNSなどでたくさんの情報を調べていると思います。
特にワイヤー、ブラケットを使用した歯列矯正の場合は「歯列矯正 後悔」「歯列矯正 痛い」「歯列矯正 失敗した」などのネガティブなワードが目につき、心配になることもあるのではないでしょうか?
この記事では、ワイヤー、ブラケット矯正についての基礎知識や、ワイヤー、ブラケット矯正を実際にした方が感じている後悔した点や治療中の悩み、失敗した事例などについてをまとめてご紹介します。
歯列矯正(ワイヤー、ブラケット矯正)とは?
ワイヤー、ブラケット矯正は、ブラケットと呼ばれる装置をまず歯の表面に接着し、 そのブラケットにワイヤーを通してひとつひとつをゴムで止めていきます。
ワイヤーの弾力や元に戻ろうとする力を歯に少しずつ加えて調整を行うことで歯を動かしていく歯列矯正の最もポピュラーな方法です。
抜歯が必要なケースや不正咬合の状態が激しい場合などの難しい症例にも対応する事が 出来るため、多くの歯科医院で行われています。
歯列矯正(ワイヤー、ブラケット矯正)の後悔、失敗例は?
治療速度が遅い
矯正治療の治療期間が長いのは、どんな矯正装置を選んだとしても、歯が動くスピードが1ヵ月に1ミリメートル程度だからです。
強い力を加えればより早く動くという事ではありません。
ワイヤー、ブラケット矯正では、歯科医師が定期的に診察し、ワイヤーにかける力を調整していく必要があります。
通院の頻度を守ること、矯正装置の補助的に利用することのあるゴムかけなどを指示通りしっかり行うことなどで治療効果が上がり、治療期間も予測通りになっていきます。
矯正治療は「治療」ではありますが、受ける側の意識が高いことも重要なポイントになります。
歯科医師の指示を守る、不明点は患者側からも質問するなどのコミュニケーションをとり、治療が円滑に進むように意識しましょう。
マウスピース矯正(インビザライン)の場合は、オルソパルスという補助装置をオプションで使用することで、波長850ナノメートルの赤外線を歯に照射して歯が動くスピードを加速させ、マウスピースの交換を通常よりも早く行うことが出来るというオプションもあり、そのような装置を使用しての治療とワイヤー、ブラケット矯正を比較すると、治療期間が長くなることが考えられます。
○○の時期までに歯列矯正を終えたいなどの具体的な希望がある場合は、相談やカウンセリングの際に、希望の時期に歯列矯正が終わるような治療方法があるのか? その治療方法がご自身の歯並びでも適応となるのか? などについて確認してみることをおすすめします。
ワイヤーに食べ物が挟まる
ワイヤー、ブラケット矯正中は、矯正装置に食べ物が挟まりやすいというデメリットがあります。
食事制限はありませんが、歯にくっつきやすい食品や固い食品を食べた後に、矯正装置が外れてしまったというケースも多く、食べ物の選び方には注意が必要です。
◎ワイヤーに挟まりやすい食べ物
- 繊維の多い食品(野菜類、肉や魚の繊維質の部分)
- ひき肉、ゴマなどの粒状の食品 など
◎歯やワイヤーにくっつきやすい食べ物
- 餅類、団子など
- キャラメルやソフトキャンディ
- ガム など
◎固い食べ物
- 煎餅
- するめ、干し貝柱などのおつまみ類
- ナッツ類
- フランスパンなどの固いパン類 など
これらの食品を召し上がる時は注意するか、ワイヤー、ブラケット矯正装置がついている期間は極力食べないようにしましょう。
食べ物が挟まったままだと虫歯や歯周病の原因となる場合があります。歯列矯正中は特に虫歯になりやすい期間です。
もし歯列矯正中に虫歯が出来てしまった場合は、歯列矯正を一時中断する可能性もあります。
食後の歯磨きを必ずして口腔内を清潔に保つように注意し、定期的に歯科でクリーニングを受けるようにしましょう。
見た目が良くない
最も多く行われているワイヤー、ブラケット矯正は装置を表側に装着する「表側矯正」ですが、表側に装置がつくと話す際や笑った際にとても目立ちます。
装置を目立たせない方法として、装置を裏側に装着する「裏側(リンガル)矯正」、上顎は裏側、下顎は表側に装着する「ハーフリンガル矯正」、上下ともに裏側に装着する「フルリンガル矯正」などの種類があります。
また、近年は表側矯正でも矯正装置を目立ちにくくさせるために「ホワイトワイヤー」を使用したり、「ブラケット」と呼ばれる装置も白色や透明のものが利用出来るようになり、若い女性や人と触れ合う職業で矯正装置を目立たせたくない方にも人気になっています。
痛いときが多々ある
ワイヤー、ブラケット矯正の治療中は痛みを生じる事が大きく分けて3つあります。
① 矯正器具が口腔内に当たることによる痛み
ワイヤー、ブラケット矯正では、歯の表面に装着するブラケットには厚みがあり、一部分が唇の裏側の粘膜などにあたってしまい痛みが生じ、ひどいケースだと口内炎が出来てしまうこともあります。
また、球技や接触の激しいスポーツの際に口元を押されたりすると矯正装置によって口腔内が傷ついてしまうこともあるため注意が必要です。
月に1回ほどの頻度で通院しますが、次回の通院までに矯正装置が外れてしまったり、ワイヤーが切れてしまったりすると、尖った部分が口腔内に当たって痛むという事が起こる場合もあります。
そのような時のために、予約外でも診てもらえるような体制が整っている矯正歯科を選んでおくのがおすすめです。
② 矯正装置を調整した後の歯が動く痛み
矯正装置を初めて装着した後や、矯正装置の微調整を行って負荷をかけた後、ワイヤー交換をしてきつく締めた後などは、歯が動くこともあり、痛みが生じる事がほとんどです。
痛みは調整後3~6時間後に始まり、1~2日後が最も痛み、その後徐々に痛みが減少して1週間ほど経つとほとんど感じなくなるのが一般的です。
我慢出来ないほどの痛みが長期間続く場合は、かかりつけ医へ相談することをおすすめします。
③ 矯正装置をつけて食事をする際の噛む刺激の痛み
②の期間中は、食事をする際に噛むことが刺激になって痛み、食事が出来ないという患者さまもいらっしゃいます。
その期間はあまり噛む必要のない柔らかいお粥やスープ類、ドリンクタイプの栄養補助食品などを上手く利用するのがおすすめです。
顔の形が悪くなる
ワイヤー、ブラケット矯正中のお顔立ちの変化では、ブラケットの厚みの分、横から見ると口元が前に突き出ているような印象になることがあります。
また、歯を移動させる距離が大きいケースでは、治療中に歯が動く過程で一時的に歯が倒れ込むように引っ込み過ぎてしまったり、空きっ歯になってしまうこともあります。
そこから更に微調整を加えて歯並びや噛み合わせを整えていくことになります。
また、歯並びを整えたことにより、それまでとお顔の筋肉の使い方などが変わり、お顔立ちが面長になった、ほうれい線が目立つようになったなどの違和感をお持ちになる患者さまもいらっしゃいます。
失敗しない方法とは?
医師選びが大切
歯並びを整える歯列矯正という治療は、歯や口腔内の調整だけでなく、頭部(頭蓋や顔面)の骨格をも整えていく全身の健康に関わるとても専門性の高い医療分野です。
そして、審美性を高めて患者さまの人生に大きな影響を及ぼす重要な治療だと考えています。
そのような大切な治療を行う歯科医師、歯科医院を通いやすい立地だから、料金が安いから、口コミが良かったなどの理由で安易に選ぶのではなく
- 矯正治療の症例実績
- 使用される歯科専門機器が揃っている
- 担当歯科医師としっかりコミュニケーションが取れるか
- 治療計画や治療費用についての説明がされているか
- 治療のメリットやデメリットが説明されているか
などをしっかりと確認、把握した上で、信頼出来る歯科医師や歯科医院を選ぶようにしましょう。
複数の歯科医院に相談に行くセカンドオピニオンもおすすめしています。
歯列矯正(ワイヤー、ブラケット矯正)のまとめ
- ワイヤー、ブラケット矯正は、ワイヤーの弾力や元に戻ろうとする力を歯に少しずつ加えて調整を行うことで歯を動かしていく歯列矯正の最もポピュラーな方法。
- ワイヤー、ブラケット矯正は、マウスピース矯正のオルソパルスという補助装置を
- オプションで使用した場合と比較すると治療期間が長い場合がある。
- ワイヤー、ブラケット矯正中はワイヤーや矯正装置に食べ物が挟まりやすい。
- 矯正器具が口腔内に当たることによる痛み、矯正装置を調整した後の歯が動く痛み、
- 矯正装置をつけて食事をする際の噛む刺激の痛みなど、痛みが生じる時期が多い。
- お顔立ちが変化する(顔の形が悪くなる)場合や、違和感を生じる患者さまがいる。
- ワイヤー、ブラケット矯正で失敗しないためには、歯科医師・歯科医院選びが最も大切。
歯列矯正(ワイヤー、ブラケット矯正)を検討されている方は、まずは歯科クリニックのカウンセリングを予約し、相談してみましょう。
WITH DENTAL CLINICでは各種カウンセリングはすべて無料ですので、安心してご相談いただけます。
お電話、予約フォームで受け付けております。知識豊富な専門のスタッフが親切に丁寧にお答えしますのでお気軽にご利用ください。