何らかの理由で失ってしまった歯のスペースを塞ぐために、橋を架けるようにつなぐ治療法の「ブリッジ」。
単にブリッジといっても種類は様々で、使用する材質により保険が適用されたり、保険適用外であったりなども変わってきます。
そこで今回は、ブリッジに使用されることの多い材質をいくつかピックアップして、それぞれにどのような特徴があるのかをご紹介しましょう。
実際に、ブリッジ治療をする際の参考にしてみてくださいね。
前歯のブリッジの種類
で抜歯が必要な症例とは?-1024x704.jpg)
まずはじめに、「前歯のブリッジの種類」についてです。現在、主流となっている材質の種類は3つ。
「オールセラミック」、「メタルボンド」、「硬質レジン前装冠」が挙げられます。
先に結論をお話しすると、オールセラミックと、メタルボンドは保険が効かない自費の材質、一方で硬質レジン前装冠は保険が効く材質です。
これらを踏まえた上でそれぞれの特徴をご紹介します。
オールセラミックブリッジ
オールセラミックブリッジに使われる材質の「オールセラミック」とは、名前の通りブリッジの全てがセラミックの材質で作られたものです。
金属を一切使わないため、金属アレルギーの患者さんでも安心してブリッジ治療を受けることができたり、金属による光の遮断がないので、光の透き通り具合がとてもナチュラルで、天然歯(健康な歯)のような透明感を再現できます。
特に、前歯は人目に付きやすい部位のため、周りの歯と自然に馴染むオールセラミックをブリッジとして使用することで、見た目にも満足感のある口腔内を獲得できるのではないでしょうか。
メタルボンドブリッジ
次に「メタルボンド」とは、金属製の被せもの全体を覆うように、表裏面にセラミックを焼き付けて作られています。
軸となる内側に金属を使用しているので、強度に優れ、ブリッジ治療では使用頻度の高い材質です。
外見は白い被せものなので、銀歯などに比べると自然な再現が可能ですが、やはりオールセラミックと比べると内側に金属が使用されている点から、透明感は劣ります。
それでも、保険内で使われる材質(レジン)の白さよりは、セラミックならではの色やツヤで、自然な仕上がりが期待できるでしょう。
硬質レジン前装冠(保険)ブリッジ
ここまで、保険適用外の材質をご紹介しましたが、ここからは保険が効く材質の「硬質レジン前装冠」についてご紹介します。
硬質レジン前装冠は、ブリッジの裏面と内側部分は金属冠が剥き出しの状態で、外から見える表面のみに歯の色調に合わせたレジンをコーティングしたものです。
健康保険の適用では、前歯のブリッジはほとんどがこの「硬質レジン前装冠」を使用しており、患者さんにとっては経済的な負担を軽くできるメリットがあります。
一方で「レジン」とは、いわゆる「プラスチック」なので、時間が経つにつれて変色したり、欠けたり、といった劣化も避けられません。
また、金属が錆び溶け出して歯や歯肉が着色する、金属アレルギー反応が現れることも考えられることから、それらがデメリットとも言えるでしょう。
奥歯のブリッジの種類
のまとめ-1024x682.jpg)
さて、前歯のブリッジの種類に対して、奥歯のブリッジにはどのような種類があるのでしょう。
現在、主流となっている材質は5つ。「オールセラミック」、「メタルボンド」、「ハイブリッドセラミック」、「ゴールド」、「銀歯」などが挙げられます。
前歯のブリッジと同じ材質もありますが、奥歯は噛む力が前歯と比較して強いため、その力に耐えられる材質が用いられます。それでは、それぞれの材質の特徴をご紹介しましょう。
オールセラミックブリッジ
まず1つ目は「オールセラミック」のブリッジです。
前歯のブリッジの種類でもご紹介した通り、金属を全く使わない材質のため、金属アレルギーの方も安心して装着できる材質です。
また、金属による光の遮断がなく、透明感のある自然な口元を再現できます。
ブリッジに使う材質に金属が入っていると、金属が錆び溶け出して歯肉が黒ずむ、といった経年劣化がありますが、オールセラミックブリッジの場合は、そのような心配がないのもうれしいポイントです。
メタルボンドブリッジ
2つ目は「メタルボンド」のブリッジです。
こちらも前歯のブリッジの種類でもご紹介しましたが、内側の金属冠を覆うようにセラミックが焼き付けられたものです。
オールセラミックブリッジと比べると、透明感は劣りますが、メタルボンドは強度に優れており、変色や収縮変形がないのが特徴です。
しかし、外見は歯の色調でも、金属は使用しているため、金属アレルギーの患者さんは歯科医師とよく相談をして、メタルボンドを装着するかどうか、決めるのがいいでしょう。
ハイブリッドセラミックブリッジ
3つ目は「ハイブリッドセラミック」のブリッジです。
ハイブリッドセラミックとは、セラミックに少量のレジン材を配合したものです。
レジン材を混ぜることで、ほどよい弾力性が生まれ、ブリッジの割れや欠けを防いでくれる一方で、長年経つと変色してくるという点もあります。
しかしながら、費用面ではオールセラミックよりも、ハイブリッドセラミックのほうが安価に設定されている場合が多いので、患者さんの選択肢が広がるメリットもあります。
ゴールドブリッジ
4つ目は、「ゴールド」を使用したブリッジです。
俗に「金歯」と言われているのが、このゴールドを使った補綴物(被せ物)です。
金色なので、審美面の観点からは、やはり「目立つ」というのが挙げられますが、ゴールドの材質の恩恵は、意外にも多数あります。
例えば、「強度」があるので、ブリッジの破損を防ぐことができます。
また、口腔内に新しく補綴物(被せ物)が入ると、慣れるまで違和感が付きものですが、ゴールドには「展延性」という柔軟に変形する特性があるため、噛み合わせが他の補綴物よりも早く馴染みます。
さらに、「酸化しない」という特性もうれしいポイントです。
保険適用の銀歯は、酸化が進むため、溶け出した金属で歯や歯肉に着色が起こりますが、ゴールドは酸化しないので着色しません。
これらの他にも、ゴールドの補綴物は長持ちする、汚れが付きにくい等々メリットが多数あるので、単に「ギラギラと目立つから」、「保険適用外だから」といって初めから選択肢から外してしまうのはもったいない材質です。
銀歯ブリッジ
5つ目は、銀歯のブリッジです。
保険の適用でブリッジを入れるなら、大抵は銀歯のブリッジとなります。
保険が効くため、上記4つの材質と比べて安価に治療ができ、患者さんの経済的負担を軽くすることができます。
一方で、銀の材質は経年劣化が避けられないのが現状です。
銀イオンの酸化が原因で、歯や歯肉が着色したり、金属アレルギーを引き起こすこともあります。
ブリッジは、日常的に取り外せる装着ではないので、歯科医院での定期的な観察と普段のセルフケア(歯みがきなど)で口腔内を観察して、異変を感じた際はかかりつけ歯科医師へ相談することが大切といえます。
前歯のブリッジと奥歯のブリッジの違い
のまとめ-768x1024.jpg)
前歯のブリッジと奥歯のブリッジでは、使う材質にどれくらいの強度があるかを把握した上で材質を選択することが望ましいでしょう。
特に、奥歯は食いしばりや噛み締めの状況によっては、自分の体重に匹敵するほどの加重があるとも言われていますので、強度は慎重に確認するのが望ましいです。
一方、前歯は外からの見た目が気になるというような審美性も重要です。
そのため、より自然な口元を再現できる材質選びや、自然光のもとで歯の色調合わせを行い、違和感の少ない、納得のいくブリッジを入れることが理想といえます。
ブリッジの違いについてのまとめ
今回は、奥歯、前歯のブリッジについて種類や材質の観点からご紹介しました。
単に「白いブリッジ」と言っても、材質は多岐に渡り、「金属のブリッジ」も選ぶ金属によって、劣化状況も違います。
ここ数年は、「白い歯」がトレンド化しているためか、セラミックが全て良いと感じる患者さんも多いですが、金属のブリッジにも、メリットがあります。
メリット、デメリットの優先順位は人それぞれですが、自分の口腔内環境を知った上で、担当歯科医師とよく相談して納得のいくブリッジの材質を選択してみてくださいね。
ブリッジを検討されている方は、まずは歯科クリニックのカウンセリングを予約し、相談してみましょう。
WITH DENTAL CLINICでは各種カウンセリングはすべて無料ですので、安心してご相談いただけます。
お電話、予約フォームで受け付けております。知識豊富な専門のスタッフが親切に丁寧にお答えしますのでお気軽にご利用ください。
コメント