歯列矯正をおこなうことを考えている方の中には、歯の舌側（ぜっそく）つまり裏側に矯正装置やワイヤーを取り付ける、裏側矯正（舌側、リンガル矯正）を検討されている方も多くいらっしゃると思います。
実際、当クリニックにも「裏側矯正（舌側、リンガル矯正）って、どれぐらい費用がかかるのが相場ですか？」「裏側矯正（舌側、リンガル矯正）も検討しているけど他の矯正治療方法と比較すると費用の差がどの位ありますか？」「できるだけ安く、裏側矯正（舌側、リンガル矯正）が出来る方法はないものか？」というご質問やご相談が多く寄せられています。
そんな方のために、この記事では裏側矯正（舌側、リンガル矯正）の費用、値段の相場や、メリットやデメリットについて解説していきます。
裏側矯正（舌側、リンガル矯正）とは？
ワイヤーとブラケットと呼ばれる矯正装置を、舌側（歯の裏側）に装着して歯列を整える矯正治療です。
上下ともに裏側に矯正装置を装着する「フルリンガル矯正」、上顎は裏側、下顎は表側に装置を装着する「ハーフリンガル矯正」という方法があります。
裏側矯正（舌側、リンガル矯正）の費用、値段の相場は？
裏側矯正の矯正装置は、患者様ごとに形が違うオーダーメードタイプの装置です。また、裏側矯正を行うための技術は難易度が高いのが特徴となります。
そのため、裏側矯正の料金は表側矯正の料金と比較して、1.5～2倍ほど割高に設定されています。
クリニック別裏側矯正の費用の比較
下記は、クリニックごとの裏側矯正にかかる費用を比較した表になります（当院調べ）。
| 費用総額 | |
| Aクリニック | 120万円～ |
| Bクリニック | 80万～150万円 |
| Cクリニック | ハーフリンガル 110万～132万円 フルリンガル 132万～165万円 |
| Dクリニック | ハーフリンガル 121万円 フルリンガル 148万5,000円 |
各クリニックによって差はありますが、ハーフリンガルで80万～132万円（税込）、フルリンガルで120万～165万円（税込）ほどが相場となります。
この他に、1ヵ月～1ヵ月半ごとにワイヤーにかける力の微調整が必要となり、その際に調整料金がかかる場合もあります。調整料金の相場は5,000～7,000円（税込）ほどが相場です。
費用が高額になるため、可能であればいくつかクリニックをまわって相談する、過去の症例の写真を見せてもらうなどの方法で、矯正医院選びは慎重におこないましょう。
治療の難易度で費用は変わる？
歯の舌側（裏側）は表側と違い、複雑な形状をしています。そのため、ブラケットを装着する方法も表側の矯正の場合とは異なります。
また、表側と裏側ではワイヤーにかける矯正力の調整方法も違ってくるため、裏側矯正の症例を多く経験していないと判断が難しいことから、裏側矯正の難易度が高いと言われています。
裏側矯正（舌側、リンガル矯正）では表側矯正で行われているダイレクトボンディングでブラケットを装着するのが困難なため、インダイレクトボンディングという方法がとられています。
インダイレクトボンディングとは、まず患者さまの歯列の石膏模型を作成し、その模型上でブラケットの位置を正確に決めます。
そしてブラケットが付いている石膏模型に特殊なシリコンの素材を被せて熱を加えます。
すると、透明なシリコンの型にブラケットが内蔵されているマウスピースのようなインダイレクトボンディング用の型が出来上がります。
そのシリコン製の型を実際の患者さまの歯に被せて特殊な光照射を行うと、シリコン製の型だけが外れてブラケットのみが実際の歯に接着されるという仕組みです。
この技術により裏側矯正（舌側、リンガル矯正）のクオリティは上がりますが、石膏での型取りやインダイレクトボンディング用のシリコン製の型作成の必要があるため、矯正装置を接着するまでに時間や費用がかかることになります。
裏側矯正のメリットとデメリット
裏側矯正のメリット
- 一般的な表側のワイヤー、ブラケット矯正と比べると矯正装置が外から見えないため、歯列矯正治療中であることが周囲に気付かれにくいのが最大のメリットです。ハーフリンガル矯正の場合、下顎は表側矯正になりますが、下顎は矯正装置がついていてもそれほど目立たないことや、フルリンガル矯正よりも治療費が安くすむ場合があるので、どちらを選択しても治療効果に差がない場合は、ハーフリンガル矯正を選ばれる患者さまが多いです。
- スポーツをしても口腔内を傷つけることがありません。
- 歯の表面のエナメル質を傷つける心配がない。
- 表側と比較して裏側の方が唾液がまわりやすいので、唾液の殺菌効果によって虫歯になりにくいです。
裏側矯正のデメリット
- 裏側矯正（舌側、リンガル矯正）では歯の裏側に装置が付くので、舌が装置に当たってしまい、慣れるまで発音しにくくなる発音障害が出ることがあります。下顎も裏側矯正（舌側、リンガル矯正）の場合にそのように感じる方が多いようです。お仕事で人に説明やお話しをする機会の多い方は、その点を気にされて下顎のみ表側に装置を付ける「ハーフリンガル矯正」を選択される方も多くいらっしゃいます。
- 裏側矯正の治療が出来る矯正歯科医院が限られている。
- 他の矯正方法よりも料金が高い。
- 噛み合わせの修正に時間がかかる傾向がある。
- 前歯が内側に倒れてしまいやすい。
裏側矯正（舌側、リンガル矯正）のまとめ
- 裏側矯正（舌側、リンガル矯正）とは、ワイヤーとブラケットと呼ばれる矯正装置を舌側（歯の裏側）に装着して歯列を整える矯正治療。
- 裏側矯正の費用は、ハーフリンガルで80万～132万円（税込）、フルリンガルで120万～165万円（税込）ほどが相場。
- 1ヵ月～1ヵ月半ごとの調整料金は5,000～7,000円（税込）ほどが相場。
- 裏側矯正の矯正装置は、患者様ごとに形が違うオーダーメードタイプの装置で、裏側矯正を行うための技術は難易度が高い。そのため、裏側矯正の料金は表側矯正の料金と比較して、1.5～2倍ほど割高に設定されている。
- 裏側矯正のメリットは、装置が見えないため周囲に矯正治療中であることが気付かれにくい、スポーツOK、歯の表面を傷つけない、虫歯になりにくいこと。
- 裏側矯正のデメリットは、発音障害が出ることがある、裏側矯正をしている歯科医院を見つけにくい、料金が高い、時間がかかる、前歯が内側に倒れてしまいやすいことが挙げられる。
裏側矯正（舌側、リンガル矯正）を検討されている方は、まずは歯科クリニックのカウンセリングを予約し、相談してみましょう。
WITH DENTAL CLINICでは各種カウンセリングはすべて無料ですので、安心してご相談いただけます。
お電話、予約フォームで受け付けております。知識豊富な専門のスタッフが親切に丁寧にお答えしますのでお気軽にご利用ください。
